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Soldier/Latroシリーズの第三作

Nick Gevers氏によるUrth mailing listへの投稿によると、ジーン・ウルフは "Soldier of the Mist" (1986), "Soldier of Arete" (1989)に続くSoldier/Latroシリーズの第三作、"Soldier of Sidon" を脱稿、既にエージェントに渡したとのこと。2006年後半頃に…

書物としての新約聖書

田川建三著の有名な本。前から読みたいとは思っていたものの、なにぶん高価で分厚い本なので、オンライン通販ではなく現物を見てから、と思っていたところ、会社の近くの本屋にあるのを見かけて衝動買い。内容は著者いわく「そもそも新約聖書とは何なのか」…

ジーン・ウルフ作品収録アンソロジーその2

絶版のアンソロジーのうち「999 聖金曜日」と「いにしえの呪い」をamazonマーケットプレースで入手。 「999 聖金曜日」:「木は我が帽子」"The Tree Is My Hat" 収録 「いにしえの呪い」:「スリアンの翡翠の兎」"The Green Rabbit from S'Rian" 収録

Lexicon Urthus 第2版情報

2002/5に版元品切れとなっていたMichael Andre-Driussiによる「新しい太陽の書」の用語集 "Lexicon Urthus" が、版元のSirius Fictionから訂正、追加を含めた第2版発行予定らしい。追加部分には第5巻までのシノプシスと、名前付きで登場する全てのキャラク…

ジーン・ウルフ作品収録アンソロジー

実はウルフの短編が入ったアンソロジーの類は全然持っていなかったので、これではいかんと思って、とりあえずamazonで入手できる「闇の展覧会−敵」「魔法の猫」「ラヴクラフトの遺産」を購入。 「闇の展覧会−敵」:「探偵、夢を解く」"The Detective of Drea…

地元の本屋にも遂に入荷

本日、地元のわりと大き目の新星堂でも「新しい太陽の書」各巻が4冊ずつ平積みされているのを発見。さすがにもう自分では買いませんがやはり嬉しい。読みたいと思って待っていた人にちゃんと行き渡りますように。この前買ったうちの1セットは参照用にボロボ…

「新しい太陽の書」復刊入手

仕事が立て込んでいるにもかかわらず、無理やり会社を抜け出して早川書房創立60周年記念フェア開催中の丸善丸の内本店へ。まず三階の文庫売り場に行くも、それらしき気配がない。店員のお姉さんにフェア会場をきくと、なかなかわからず(大きい書店なのです…

売ってない

今日は都会に出る時間がなかったので、とりあえず地元でそこそこ大きい書店を二軒まわってみたが、どちらにも「新しい太陽の書」は見あたらなかった。ひょっとすると「早川書房創立60周年記念フェア」を開催している全国で28店だかの書店にしか在庫がないの…

「新しい太陽の書」遂に復刊

本日、八重洲ブックセンターと紀伊国屋新宿本店にて、早川創立60周年記念フェアで「新しい太陽の書」が並んでいたとのこと。明日は都会に出る時間がないので、地元の一番大きい本屋で入手できるかどうか。

久しぶりに本館更新

最後に更新してから一年以上経ってしまいました。間が空いてしまうとますます取り掛かるのが億劫になるもので、取りあえずビブリオとか更新しやすいところからでも再開しようかと思います。ビブリオをまとめていてあらためて思ったのですが、ここ数年のウル…

『ある物語』(ISBN:4336045666)メモその2

P.105 一年が長い<石転びの国>。 原住民が書いたものなら「一年が長い」とはしないのでないか。 P.105 それは「男」を意味する言葉で、すべての男の子は「ジョン」と名付けられる。 「ジョン」は匿名をあらわすものか。なおジョンあるいはヨハネはもとはヘ…

聖マリア・マグダレナのガブリエルとドリームタイム

amazonから「愛ゆえに生く―十字架の聖ヨハネの霊性」聖マリア・マグダレナのガブリエル著(ISBN:480560025X)が届いた。恐れていたとおり、というか予想通り絵に描いたような宗教書で、カバーは真っ赤だ。これを通勤電車の中で読むのはかなり勇気がいるな。も…

「eとらんす」10月号

「eとらんす」10月号を買った。昨日昼休みに会社のそばの本屋を何軒か探してもなかったのだが、結局地元の書店で見つけた。内容は8月5日三省堂本店での柳下毅一郎氏と若島正氏のトークショーを完全収録というもの(参加していないので本当に完全収録かどうか…

『ある物語』参考書など

十字架の聖ヨハネがどうも気になる、というわけでついついそれらしい本をショッピング・カートに入れてしまう。「愛ゆえに生く―十字架の聖ヨハネの霊性」聖マリア・マグダレナのガブリエル著(ISBN:480560025X)。タイトルもなかなかのものだが、筆者の名前も…

あんまり関係ないか

ところで「ハイペリオン」と言えば「シュライク」=「モズ」だが、"V.R.T." のP.182、英作文練習帳にも「モズ」が出てくるのに気がついた。ダン・シモンズのオマージュなのか、それとも何かの象徴なのか。

『ある物語』(ISBN:4336045666)メモその1

P.103 "A Story", by John V. Marsch まず誰が書いた「物語」なのか。マーシュについてフル・ネームが出てくるのはこの部分だけなので、これが本当に地球から来た人類学者の名前なのか不明。後で出てくるように「ジョン」はアボの男の名前であり、"V" は数字…

ジーン・ウルフとJ.S.バッハ

「ケルベロス第五の首」にしても「アメリカの七夜」にしても、もちろん「新しい太陽の書」にしても、ジーン・ウルフのある一定以上の長さの作品はどれも、細部を気にすればするほど同じ物語に思えてくる。主題が三つか四つ、キャラクターが五、六人、それに…

「アメリカの七夜」メモその2

なかなか物語の構造が見えそうで見えてこない。困ったときはURTH mailing listである。過去ログをあれこれ検索していると期待通り面白い投稿がいくつかみつかった。 どうもキリスト教徒の読者には、この物語は復活祭とその直前の聖週間=受難節の話であるこ…

「アメリカの七夜」メモその1

「ケルベロス」は終わりそうにもないので、こちらも忘れないようにメモしとく。どっちかというとこっちの方がはるかに「わからなく」書いてるし。あまり細かくメモるのも面倒なんで、時間の流れを中心に。 P.10 ナダンの母への報告書。ナダンがデラウェア湾…

アメリカの七夜

中篇「アメリカの七夜」浅倉久志訳 これは評判どおりウルフらしい良い作品。「ケルベロス第五の首」「V.R.T.」や「新しい太陽の書」と同じく「信頼できない」一人称話者の手記。鼎談で柳下氏が言っているように、ウルフは長めの作品の方がわかりやすい。これ…

祝SFマガジン2004年10月号「ジーン・ウルフ」特集

発売日を忘れないように会社の自分のアドレスにメール出して、そそくさと昼休みに買いに行きました。なんにしてもめでたい。とりあえず「アメリカの七夜」(まだ読んでない)以外の感想を。 短編「ラファイエット飛行中隊よ、きょうは休戦だ」酒井昭伸訳 ち…

「ケルベロス第五の首」(ISBN:4336045666)メモその8

P.88 ハイヒールの婦人靴とグロテスクに長い足、尾骨の数センチ下まで垂れさがっている背中の大きく開いたドレス。むきだしになった襟足。リボンと髪飾りで積みあげ解き編んだ髪。 なんだか人間の描写とは思えない。アボ? P.88 ドアを閉じたとき、それと知…

デス博士の島その他の物語その2

遅れるのかと思ったら、なぜかちゃんと届いたので、翻訳であまりピンとこなかった表題作だけとりあえず読んでみた。二人称小説というのは、どうも日本語より英語で読んだ方がしっくり来るような気がする。この作品は二人称の話法と物語の主題とを関連させる…

「ケルベロス第五の首」(ISBN:4336045666)メモその7

このペースじゃ一生終わらないなあ。 P.84 わたし自身の推測では――こんなに時間のたった今となって、どれほどの意味があるのかわからないが――喧嘩して私が刺したのだと信じていたのだろう。(中略)もちろん、それは失われた冬のあいだに何かわたしが言った…

デス博士の島その他の物語

どうも自分は「デス博士の島その他の物語」がちゃんと読めていないんじゃないかと思ってAmazonで注文していた "The Island of Doctor Death and Other Stories: And Other Stories" (ISBN:0312863543) が3-5週間遅れとのこと。在庫分が売れてしまったのか。

「ケルベロス第五の首」(ISBN:4336045666)メモその6

P.73 彼らも幼児のときは人間だった(中略)が、外科手術(一部は脳にも手術を受ける)と薬物による内分泌系の変化で普通の人から変わってしまうのだ。 キャスドーを襲った獣化人(zoanthrop)ですね。 P.73 高価な赤い革張りの椅子の片方の肘かけのみ。 何…

「ケルベロス第五の首」(ISBN:4336045666)メモその5

P.61 公園にある自然の円形劇場で夏のあいだ公演をおこなうことになっていた。 「新しい太陽の書」におけるタロス博士の「天地終末と創造」も野外で公演をおこなう。 P.61 フランス系の初期植民者たちの政治権力の喪失。 それにしてもなぜフランス系なのか?…

「ケルベロス第五の首」(ISBN:4336045666)メモその4

P.55 少女は、次にわたしが公園を訪れたとき…「驚いた。ここに来るたびに探してたんだけど、一度も来なかったから」 「第五号」は明らかに嘘をついている。これは「第五号」の言葉を全て信じるべきでないとのヒントか? ウルフの一人称話者は基本的に嘘つき…

「ケルベロス第五の首」(ISBN:4336045666)メモその3

P.41 わたしの幼年期が終わったのはこの冬だった。 「自分がある意味で正気を失っていることに初めて気づいたのは、この混乱の時期だった」−「拷問者の影」P.47 P.41 わたしの記憶には決して事実ではありえない光景がこびりついており。 アボとしての記憶? …

「ケルベロス第五の首」(ISBN:4336045666)メモその2

P.30 太って角張った顔をした鈍重そうなお客。 これはさすがに誰だかわからない。 P.31 黒の女王、邪悪でもなく慈愛に満ちているわけでもないチェスの女王であり、黒なのはいまだ私が出会っていない白の女王と区別しなければならないからである。 鏡の国のア…