アメリカの七夜

  • 中篇「アメリカの七夜」浅倉久志
    • これは評判どおりウルフらしい良い作品。「ケルベロス第五の首」「V.R.T.」や「新しい太陽の書」と同じく「信頼できない」一人称話者の手記。鼎談で柳下氏が言っているように、ウルフは長めの作品の方がわかりやすい。これと「ケルベロス」を読んだ後に「新しい太陽の書」を読むと判りやすいと思う。それにしてもウルフほど翻訳を読んだ後に原文を読みたくなる作家はいないのではないか。