三位一体節後第12日曜のカンタータ
今日は三位一体節後第12日曜なので、該当するカンタータはBWV69a, 137, 35の三作品。
- BWV69a*1 "Lobe den Herrn, meine Seele" 「わが魂よ、主を頌めまつれ」
- 1723年8月15日初演。ライプツィヒ時代のカンタータ第一年巻に属する。厳しい調子の曲が多いこの時期の作品には珍しく、明るく華やかな曲で、編成も弦楽とバッソ・コンティヌオ(通奏低音)に加えてトランペット、ティンパニ、リコーダー、オーボエ、オーボエ・ダモーレ、オーボエ・ダカッチャ、バスーンと大編成。トランペットやティンパニは通常結婚式や市参事会交代式のような華やいだ行事に用いられるものだが、この日の演奏がなぜこのような派手なものだったのかは不明。
- 後にバッハ晩年の1748年に市参事会交代式用に改作され、BWV69となる。ここでは福音書章句とレチタティーヴォがふさわしいものに入れ替えられ、コラールも変更されて、より華やかな色彩が強くなっている。
- 本日は鈴木雅明指揮、バッハ・コレギウム・ジャパン演奏で聴きました
- BWV137 "Lobe den Herren, den mächtigen König der Ehren" 「主を頌めまつれ、勢威強き栄光の主を」
- BWV35 "Geist und Seele wird verwirret" 「霊と心は驚き惑う」
- 1726年9月8日初演。ライプツィヒ時代のカンタータ第三年巻に属するアルト独唱用カンタータ。二部構成の各部とも器楽演奏のみのシンフォニアで始まるが、このどちらでも、また全てのアリアでもオルガンが印象的なオブリガート楽器として使用されている。これらのシンフォニアは、現在では断片しか残っていないケーテン時代の協奏曲BWV1059を転用したものと思われる。
- 本日はフィリップ・ヘレヴェッヘ指揮コレギウム・ヴォカーレ演奏、アンドレアス・ショルのアルト独唱で聴きました。
*1:最終稿であるBWV69の原曲なのでBWV69aとされる。