「ケルベロス第五の首」(ISBN:4336045666)メモその5
- P.61 公園にある自然の円形劇場で夏のあいだ公演をおこなうことになっていた。
- 「新しい太陽の書」におけるタロス博士の「天地終末と創造」も野外で公演をおこなう。
- P.61 フランス系の初期植民者たちの政治権力の喪失。
- それにしてもなぜフランス系なのか? 「天地終末と創造」の伯爵夫人はなんとなくフランス系だが。
- P.64 女たちは劇場最上段の最後尾の席に座り、暴徒となった反逆たちを包囲する奇怪な、古代の政府の兵士よろしく、劇場を取り囲んだ。
- この意味ありげな描写は何か? タロス博士の劇の観客における退化人か?
- P.64 サント・アンヌが昇ってゆるやかな河と大いなる緑の牧草地までが見え、観客を緑の光で染めたこと。
- サント・アンヌとサント・クロアとはどのくらい離れているのか? おそらくいずれも地球と同じ程度の重力と思われるので、少なくとも地球と月程度は離れていると思われるが、その場合地表の様子が見えるものか? それともこれは「第五号」もしくは話者による創作か?
- P.65 人混みとどさくさに紛れて私たちはケチな盗みをはたらくようになった。
- このあたりもタロス博士の劇団を思わせる。
- P.65 わたしは意識のコントロールに重大な欠落を生じるようになりつつあった。
- 「第五号」の独白を100%信用すべきでないというヒント。
- P.66 ミスター・ミリオンが本当に意識を持っており、いつも言っていたが、「わたしが思うに」や「わたしが感じたのは」といった言葉を使う資格があったのかどうか、わたしにはどうしても判断できなかった。
- この疑問はそのまま「第五号」自身にも当てはまる。
- P.67 実際にそんな船に乗った記憶はなかったが、あるいは、ごく幼いころにあったのかもしれない。
- これは誰の記憶か? 「第五号」の初代か?
- P.68 バケツに水を汲んで運んで甲板の血の染みにぶっかけ。
- いったい誰の血なのか?
- P.68 星船が、再突入シールドを熱で目がくらむほど明るく輝かせ、焼け付く音をたててはるか遠くの海に落ちたときにも、それを告げる相手はどこにもいなかった。
- 「星船」"starcrosser" という言葉は「影の子」が用いるもの。
- P.69 広がっていたのは海ではなく夜空だった。
- 視点が「星船」の乗員に移っている。
- P.70 メアリードルとは芝居に出ていた女の子のことだった。
- メアリードルの目の色は?
- P.70 下の階ではまさに地獄絵図がくりひろげられていた。
- 大文字で "Pandemonium"。小文字だと「大混乱」くらいの意味だが、大文字だと「地獄、伏魔伝」のような意味合い。犬の階の描写からだと「地獄」は強すぎるので、この表現はウルフから読者へのヒントだろう。
- P.72 夕のお告げの祈りの鐘。
- "Angelus" は午前6時、正午、午後6時の祈りなので、"last Angelus" は午後6時。なお、この祈りは聖母マリアが受胎告知を受けたことを記念するもの。