三位一体節後第15日曜のカンタータ

今日は三位一体節後第15日曜なので、該当するカンタータBWV 138, 99, 51の三作品。

  • BWV 99 "Was Gott tut, das ist wohlgetan" 「神なしたもう御業こそ いと善けれ」
    • 1724年9月17日初演。ライプツィヒ時代のカンタータ第二年巻に属するコラール・カンタータで、S. ローディガスト作の比較的新しいコラールに基づいた作品。第1曲の多声合唱はコラール歌詞をそのまま用いたものだが、協奏曲的な器楽パートはケーテン時代の協奏曲からの転用だと考えられる。第3曲のテノール・アリアでは大変技巧的なフルートの独奏が印象的。第5曲のソプラノとアルトの二重唱アリアはフルートとオーボエ・ダモーレが歌声と密接にからみ合って見事な効果をあげている。
    • 本日はジョシュア・リフキン指揮、バッハ・アンサンブル演奏で聴きました。
  • BWV 51 "Jauchzet Gott in allen Landen" 「全地よ、神にむかいて歓呼せよ」
    • ライプツィヒ時代中期1730年頃に初演されたと考えられるソプラノ独唱用カンタータ。バッハ自筆の総譜には「三位一体節後第15日曜日、および全ての機会に」と記されており、別の機会のために作曲されたものが教会暦の欠落した部分に当てはめられたと考えられる。1730年の教会暦に当てはめると初演は一応1730年9月17日ということになるが、ソプラノに非常に高度なテクニックが求められることから、ライプツィヒ以外の地(おそらくはドレスデン宮廷またはヴァイセンフェルス宮廷)の名歌手のために書かれたものではないかと思われる。第1曲では極めて技巧的なソプラノとトランペットが高らかに喜びを歌い上げているが、一転して第2曲のレチタティーヴォ、第3曲のアリアでは静かな叙情性が強調される。続く第4曲のコラール部分では晴朗で力強く喜びが歌われ、最後に再び技巧的にアレルヤが歌われる。
    • 本日はジェフリー・トーマス指揮アメリカン・バッハ・ソロイスツ演奏、ジュリアンヌ・ベアドのソプラノ独唱で聴きました。