「新しい太陽の書」復刊入手

仕事が立て込んでいるにもかかわらず、無理やり会社を抜け出して早川書房創立60周年記念フェア開催中の丸善丸の内本店へ。まず三階の文庫売り場に行くも、それらしき気配がない。店員のお姉さんにフェア会場をきくと、なかなかわからず(大きい書店なのです)五分くらいしてやっと二階だとわかる。

二階のフェア会場に行ったところ、確かに早川のハードカバーの類はかなり置いてあったが、そもそも文庫本がほとんどゼロ。レジで文庫本で復刊されたものは置いてませんか、とたずねるも、特に入荷の予定はないですとの冷たい答え。念のために店内の検索端末で調べてもやはり在庫なし。

このままでは帰るわけにはいかん、と思って東京駅の連絡通路を抜け、店頭在庫情報が確認されている八重洲ブックセンターに早足で移動(いやあ暑かった)。こちらは一階を入ってすぐ右の目立つ場所にフェア特設売り場があり、ちゃんと「新しい太陽の書」全四巻が平積みで置かれていた。ああ、この日を何年夢見たことだろうか。すかざず予定通り2セットずつゲット、レジのお兄さんが「同じ本二冊ずつでいいんですか?」と不審気だったのもご愛嬌。手元のボロボロになって茶色に変色した「新しい太陽の書」も愛着があるけれども、やっぱりピカピカの新刊はいい。

ところで「拷問者の影」でもまだ初版が出てから19年しか経っていないのに相当痛んでいるわけで、やはり文庫本というのは長期保存には向いていないようだ。今度の再版の紙質がどうなのかはわからないが、まずまずのコンディションで保存できるのは20年から良くて30年というところか。電子化というのもありだろうが、やはりこのような名作は長期保存可能な良質の紙で、しっかりした装丁で出てくれるとありがたい。文庫復刊はとりあえずめでたいけれど、そういうのも欲しいなあ。