『ある物語』(ISBN:4336045666)メモその2
- P.105 一年が長い<石転びの国>。
- 原住民が書いたものなら「一年が長い」とはしないのでないか。
- P.105 二人目の子は普通のようには生まれなかった。
- 二人の子供は鏡像関係にある。
- P.106 絹糸のように細い黒髪が、頭の後ろに黒い後光となって広がった。
- 母親である<揺れる杉の枝>の髪は黒髪。「後光」は<揺れる杉の枝>が聖母であることを示すか。
- P.106 すくいとって娘の足にかけた。
- 素直に読むなら寒さで凍える娘の足を暖めたのだろうが、なにやら洗礼の秘蹟を思わせる。
- P.106 そのように、わたしが生まれたとき、わたしの母もやった。そのように、おまえも自分の娘のためにやるだろう。
- P.106 初子は死ぬ――か残らぬ。
- "The first birth kills--or none." これは意味がわからない。
- P.107 そこで揺れる杉の枝の母は流れに呑まれ、東風はその手から奪われた。
- ここでは東風に何が起きたか意図的にわからなく書いている。